マサトです。
今回の北海道での地震、一昨日仕事で打ち合わせをしたばかりの取引先にも被害が出ているようで複雑な心境です。
そんな中、昨日の日経ビジネスオンラインの記事がタイムリー過ぎます。
結論から言うと、日本国民には是非一度読んでみて欲しい。そして自分の頭で考えてみて欲しい。そんな記事です。
以下にスクリーンショットとURLを掲載しておきます。一読をお勧めします。
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/101700172/070600029/?ST=smart
記事を書かれているのは京都大学大学院 教授
藤井 聡[ふじい・さとし] さん
内閣官房参与も務められている方です。
■南海トラフ地震の経済的被害は1410兆円
20年で1410兆円の経済被害
南海トラフ地震が起きなかった場合と比較して20年で失われるGDPの総額らしいです。
日本のGDPをザックリ500兆円とすると実に三年分に匹敵する額になります。
南海トラフ地震が現実となった場合、たった20年で復興できるのかはかなり怪しいですが、それでも十分インパクトのある数字です。
■自然災害を前に日本人は助け合うしかなかった
東日本大震災をはじめ災害時の日本人の振る舞いが世界から賞賛されることも多いですが、自然災害の多い日本においては、助け合う事が生き延びるための重要な素養だったのだと思います。
そうした素養を持つ人たち(遺伝子)が多く生き残った結果、日本人のDNAには助け合い精神が組み込まれているのかも知れません。
■防災だけではダメ 俯瞰的に減災・復興を考える
耐震補強や防潮堤など直接的な防災対策ももちろん大切です。しかし、南海トラフ地震レベルになるとそれだけでは不十分でしょう。
日本の人口、生産力が集中しているエリアが軒並み被害を受けるという予測です。
これらのエリアが壊滅的な被害を受けた時、他の地域が被災地を救えるように人口の分散化を進めておくことも必要だとしています。
■自衛隊頼みの救助・復旧作業
今回の地震でも自衛隊の災害出動が報道されていますが、自衛隊頼みの救助・復旧作業では焼け石に水になる事は確実です。
そのためには
・あらかじめ分散して住むこと
・迂回路のある道路網を整備すること
・生産力も分散化しておくこと
・地元の土木業者を温存しておくこと
■人口=命=生産力=救済力=復興力
中でも大切なのは人口の集中を緩和しておくこと。被災者を少しでも減らし、失われる命を少なくする。その為には地理的・物理的に分散して住むことが有効だと思います。
もう1つは国土を均等に発展させておくことではないでしょうか。外国からも救助の手は差しべられるとは思いますが、日本は島国なので国内に被災地を救う力を分散して蓄えておく事が肝要だと思います。
いわゆる裏日本と呼ばれる日本海側地域について道路、新幹線などのインフラ投資。地震が少ないと言われる岡山あたりに首都機能を構築しておく事なども真剣に検討されても良いのではないでしょうか。
■大切なのは金の卵か鶏か
この記事では20年で失われる税収と防災対策に予算を投じた場合の税収減の抑制効果についても試算しています。
生産力・経済力こそが税収を生む源泉。
目先の防災投資を惜しみ、金の卵を産むニワトリを損なう愚は避けて欲しいものです。
■財政規律と国民の命
さて、財政規律と国民の命 大切なのはどっちなのでしょう。
現代の日本人は 目先の『お金』に拘るあまり、国民の命 特に子供たち、孫たち世代の命を守るための投資を惜しんでいるように思えてなりません。
財政赤字は子孫にツケを残すとよく言われますが、南海トラフ地震や首都直下地震が予測されるなか帳簿上の赤字を嫌って防災対策や投資をを怠ることの方が子孫たちにツケを残すのではないかと思ってしまいます。
僕は、自分の娘やその子供たちに不幸になって欲しくない。それだけではなく、同胞としての日本人にも不幸になって欲しくはない。
そして、なにより日本という国が大好きです。
予測されている国難にキチンと備えられる祖国であって欲しい。
もう『想定外』なんて言葉は使えないのだから。
マサト
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